静かなる駆け引き:[SilentTactics]


1.問題提起

学校や会社のトイレ個室にて、おもわず「ぶぶーっ!ぶりぶり!」なんて恥ずかしい音を出したことはありませんか? そしてその後は、できるだけ人目につかずにトイレからの脱出を図るのではないでしょうか? 私は、そうです。だって恥ずかしいじゃないですか。そんな音を聞かれて。恥ずかしくない人はいいんですけどネ。 本項目では、そういった場合にどのような対応がベターなのか、ゲーム理論ではないですが、以下の問題を想定してシミュレーションしてみることにします。
  • 舞台は個室が二つあるトイレ。その外は洗面室。
  • 発せられた音や声は、その発生源場所を知ることができる。
  • 異なる空間に居る人の正確な場所は特定できないが、気配は感じることができる。






2.SO二体問題(基本問題)

まずは一番簡単な場面から考えます。個室に入っているあなた(ource)が、用を足すときにとても恥ずかしい音を発したとします。 そしてその音は、洗面室に居るひと(bserer)に聞かれたとします。 あなた()は、知り合いかもしれないであろうに発見されること無くトイレからの脱出を図ります。

このときのの戦略は簡単で、「が出て行くのを待つ」ことです。 待っている間に別のひと(xtra)が入ってきたら、その人が出ていくまで、要するに洗面室がカラになるまで待ちましょう。 「音は困るが、顔を見られるくらいなら構わない」という人は、外がだけになれば、構わず個室から出ましょう。

また、とすれば、よほど意地悪なひとでないかぎり、そこで待ち構えていても仕方ないので、 気を使って、早めにトイレから出てあげましょう。



3.SN二体問題(基本問題)

もう一つ簡単な問題。 あなた(ource)の 隣の個室に誰か(eighbour)が居て、恥ずかしい音を聞かれたとします。 そのときはどうすればよいでしょうか?

あなた(ource)としては、とだけ顔を合わせなければよいのですから、 個室退室の準備を万端整えてから、隣室の気配、トイレを流す音や、着衣音のタイミングなどから判断して、 よりも早く出るか遅くでるかのタイミング調整をおこないましょう。 確実を期すためには、後まで待てばよいでしょう。

また、としては、と対面するメリットは ないでしょうから、ここでも、お互いの心の安寧を願いつつ、手っ取り早く退室しましょう。



4.SON三体問題(応用問題)

では、前出問題の組み合わせとして、三体問題を考えます。登場人物は恥ずかしい音をだした、 その音を聞いたおよび隣部屋のの三人です。

この問題では、としては特に問題はないでしょう。 また、としてはすぐに出るとに会ってしまいますから、 が退出するのを待って、前出SN二体問題に帰着させるのが得策です。

さて、ここで、問題になるのは実はの立場に居る人です!

例えば、構わずにが出てきてそれが知り合いだったとします。 もしそこでが「よぉ」なんて声をかけたら、から見たら、 その声の主がなのかなのか、区別がつかないことが考えられます。 すなわち、本来なにも恥ずかしくないが、から、 「あいつ、あんな恥ずかしい音をだして・・・」とあらぬ辱めをうけるかもしれないのです! これはよろしくありません。したがって、この問題で気をつけるべきなのは、 に話し掛けるべからず」 ということなのです!



5.SEN三体問題(応用問題)

前出問題の組み合わせで別の三体問題を考えます。登場人物は恥ずかしい音をだしたと 隣部屋ので、そこに音の後から が入ってきました。

ここでもとしては問題はありません。 出るも待つも自分次第ですし、大きなダメージも受けません。 としても、に音を聞かれたわけでもないので、 を待たずに個室を出ても問題ないと考えてしまうでしょう。 そこで、個室を出た に声をかけてしまった場合、を疑うかもしれませんが、 それは自業自得ですから、まぁ、いいとしましょう。

問題になるのは、の立場に居る人です!

トイレに入ってみると、知り合いのが出てきたので、 音を聞いていないは気軽に声をかけてしまうでしょう。 ところが、から見たら、 の区別がついていないのです。 ということは、はまったく問題の存在自体を知らないまま、 に誤解される可能性があるのです! したがって、 に話し掛けるべからず」 と心得た方がよいと思われます。

ここまでで要するに、「トイレに入ったら無用な会話は慎んだほうがよい」 という教訓が帰納的にわかってきたことになるかと思います。ドラマなんかでも、洗面室の会話が個室内のひとに聞かれて、 思わぬ(というか期待とおりの)展開になることが多いですよね。 口は上下とも災いの元ですね。ふぅ。



6.SEON多体問題(応用問題)

最後に 総登場の多体問題について考えて簡単にみようと思います。

この場合もとしては問題はありません。 の立場からみても、前出問題の組み合わせです。 そして、やっぱり災難なのはです。

最も災難であるパターンについて想像してみます。 まず、音の後に恥ずかしがらないが出て行き、 それと前後してが入ってきたとします。 そこで、は知り合いであるを見つけ、 会話をはじめてしまったとします。そうすると、やはりここでも から見るとが音の犯人だと 思ってしまうかもしれないのです!もう、濡れ衣もいいところです。

やっぱり、トイレではおとなしくしていましょう。



7.更なるステップアップ

さてあとは、興味のある人はいろいろ問題をアレンジしてパズルとして考えてみて下さい。
  • 音の発生源が区別できない場合
    「音の発生源が区別できない」という仮定に変えると、外の からみるとの区別がつかなくなるので、 上記の検討でお気楽だったの立場が全く異なり、 濡れ衣を着ないための努力が結構必要になってきます。

  • 個室が3つ以上ある場合
    前項目と関連すると面白いですが、隣人が二人(N1N2)だと、 その二人の間の駆け引きがあって面白いかも。

  • 人の気配すら感じ取れない場合
    これは、ドアの開閉回数などから状況を推測する必要があり、結構バクチ要素が大きくなってきます。

  • 他の恥ずかしいこと
    この問題は、排泄時の音に限らず、「ものすごい個性的な摩擦音※」や「ものすごく臭い匂い」の場合にも適用されますので、応用してみて下さい。 また、単にうんちをしていること自体を悟られたくない場合には、個室内でのくしゃみや咳払いも控えるように注意しましょう。

    ※「ものすごい個性的な摩擦音」:たまに、トイレの個室から、 おしりを拭くときの「ゴシゴシゴシ!ゴシゴシゴシ!」というかなり強烈でリズミカルな摩擦音が聞こえてくることがあります。 一体、どんな人なのか、気になります。いずれにしろ、私とは対照的に、強靭なおしりの粘膜の所有者であることは間違いありません。羨ましい限りです。





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